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大略天学名目抄
気盈朔虚并閏月日天一周三百六十五日二十五刻、是お一歳と雲、暦書の歳実(○○)と雲は是也、此の歳実お二十四気に分て、一気お十五日二十一刻八十七分半とす、全日十五日お去るときは、余分二十一刻有奇お一気の盈とす、此の盈お二十四積むときは、五日二十五刻也、是則ち一歳の気盈(○○)也、又月の一年の日数、三百五十四日三十七刻お十二月に分れば、一月の日数二十九日五十三刻有奇也、一月の常数三十日にたらざること、四十六刻九十四分有奇也、是一月の虚分にて、十二月お積で、五日六十三刻有奇、是即ち一年の朔虚(○○)也、此朔虚と右の気盈とお合すれば、十日八十八刻余る也、是お一年の閏余(○○)と雲、此閏余三歳お重て、一月の日数に余る也、故に三年に一閏月お置て、其年は十三月とす、此の如くに、三年或は五年目に、二閏月お置て、段々凡十九年に七閏月お置の間、或は余り、或は不足有りと雖ども、十九年七閏に至て、過不及の差分尽て平々となる、是お暦の一章と号す、一章終て又始る、是唐土日本の暦法也、外国の暦法は是異なり、