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類聚名物考
時令三
三島暦今の世にも仮名文などの甚だ細かなるお三島暦のやうなるなど雲り、昔は伊豆の三島より暦お出せしとかや、今伊勢より多く出すが如し、薩摩陸奥にもあれども、それは人もいはぬ事となれり、近年久しく絶しお興して、また三島にても暦お出すなり、竹斎物語、〈上〉頭巾は三条唐物や甚吉殿のおかたより、赤き綿お百日ばかりのその内に、心お尽し縫立て、播磨杉原七枚つぎ、三島暦(○○○)に大般若、春の日通牛の尾に、三間綱お結付て、長文そへてやられける、