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東遊記後編

盲暦中段と号せり、其名の次第左の如し、建(たつ)、除(のぞく)、満(みつ)、平(たひら)、定(さだむ)、執(とる)、破(やぶる)、危(あやぶむ)、成(なる)、納(おさむ)、開(ひらく)、閉(とづ)、已上十二毎日に配之、吉凶お定む、其初め丙寅お以て建として、段々十二お配当す、建〈の〉日譬ば正月節寅の日建、二月は卯の日建、三月は辰の日建、十二月共に此の如くに当れり、月支破軍の建す故なり、但し十二け月の初節毎には、前日の中段お付て、同名二つ重なる故に、六十日には回り来ることなく、ひたと違ひて凡七年目に丙寅の日に建回り当る者なり、其日の支干吉にして、中段も吉なる日お上とす、偖此十二直の次第、名の義理、如何なる子細といふこと、いまだ精く不知之、其能知れる人に尋ぬべし、 いづれも唐土陰陽家より始れり、今の天学暦学家の要務にはあらず、