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春湊浪話

雲珠お年号に画暦のとしの上に、雲珠お画くことは、是お尊みてかふむらしむるなり、推古紀に、皇子諸王諸臣悉以金髻華著頭とありて、釈日本紀に、宇須は玉冠と注して、昔の冠なり、其形、今も賀茂祭の飾馬に残れり、使の次将是に乗給ふ時は、雲珠お放ちて、手振の放免に雲珠おば持しめらるゝも、冠に擬したる故に、憚給ふ也、