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公事根源
十一月
御暦奏 一日中務省より明年の暦お奉るお、むかしは主上南殿に出御なりて是お御覧あり、出御なき時は内侍所につく、白虎通に、周の世には十一月お正月とす、是お暦家に天正月といふ、殷の代には十二月お正月とす、地正月といふ、夏の世には今の正月お正月とす、人正月といへり、十一月は一陽はじめて生る月なれば、一年の暦数おかんがへて、今日天子に奉るなるべし、我朝に暦のはじまりし事は、欽明天皇十四年、百済の博士が奉りけるとかや、