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易占は、支那より伝来せしものにして、易に本づきて占筮するお雲ふ、此占法は、我国に在りては、中世以来漸次に衰替して、陰陽寮の占卜の如きも、多くは式占おのみ用いたり、然るに徳川幕府の時に及び、儒学の興隆と共に、易学の研究復た勃興し、易占の名人随て輩出するに至れり、中に就きて新井白蛾最も名あり、而して当時無禄隠逸の士より、神職山伏等に至るまで、此術お売りて口お糊するもの多く、都会の如きは街巷至る所に、筮四お展して売卜するものありき、