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玉勝間
十四
卜筮もろこしの国とても、いと上代には、後世のごこく万の事、己がおしはかりの理お以て定むる事は、さしもあらざりしこと、卜筮といふ物あるおもてしるべし、卜筮は己が心にさだめがたき事お、神にこひてその教おうけて定むるわざなり、卜筮にいづるは神のおしへなり、然るお後世のごとく、己が心おもて、物の理おはかりてさだむることは、大かた周公旦といふさかしら人より、盛にその風になれるなり、