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倭訓栞
前編十一志
しきがみ 歌書に見ゆ、しきの神ともいふ、新猿楽記陰陽道の条に、仕式神と書り、式伏といふ事もあり、実は人形の識神にて、巫蠱の妖術なりといへり、撰集抄に物の識になんかゝりてと見え、宇治拾遺にしきにうてけると見え、古記に式に厭著(ましなひ)などいふも身代の人形より起るともいへり、