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閑窻瑣談

第一 金神家相の論近世、家宅の相お撰事行れて、万家多くは此所為に泥、其道に通達せる徒に付て、一向に居家の安全お秤、然ば貴賤と雅俗お不論、宅相の吉凶に依て、身上に祥と不祥お現然に得ると雲徒不少、於是方位家相お卜するの徒、禍福当祟お囂く雲募、八方金神の祟、本命的殺の論嘈々たり、既に家相の禁忌なくとも、暦道に二十四方位の方角なんど、無量吉凶、日取の善悪多くして、撰除事不容易、是作併、我朝古代の風にはあらず、昔唐土にて、道士等が祭初たる事にして、青竜、白虎、朱雀、玄武の称お弘む、是なん世に知る四神の名目、東西南北に配当なせる方色にて、青白赤黒の形お表するのみ、