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闇の曙

家相の事は、俗本の占ひ書に、八卦蓬萊抄といふものに始て述たり、是お種として文盲なる者ども、様々妄説お偽作して、衆俗お誑らかし惑はす事也、家相はむつかしき事なし、住居勝手好、気のぬけ過ぬ様に、又闇く陰の過ぬやうに造りて足ることなり、今家相者といふものに溺化誘るゝ事なかれ、家相お信じ、家お建直して後、間もなく売家に出したる人も多し、