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甲陽軍鑑
二品第八
判兵庫星占之事附長坂長閑無面目仕合之事永禄十二年己巳の歳より、翌年午七月まで、天に煙の出る星出たり、信玄公三十一歳の御時より召置るゝ江州石山寺の博士、むかしの晴明が流れにて易者也、中にも判お能占(○○○○)に依て、判の兵庫と号す、占おも正法に仕、内典ともにたづさはり、邪気聊もなければ、信州水内郡におひて百貫の知行、永代宛行るゝ朱印、彼兵庫に被成下、