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水鏡
下淳和
天長二年、〈○中略〉ことしうらしまの子はかへれりしなり、もたりしたまのはこおあけたりしかば、むらさきの雲にしざまへまかりてのち、いとけなかりけるかたち、たちまちにおきなとなりて、はか〴〵しくあゆみおだにもせぬほどになりにき、雄略天皇のみよにうせて、ことし三百四十七年といひしにかへりたりしなり、