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続日本後紀
十九仁明
嘉祥二年三月庚辰、興福寺大法師等、為奉賀天皇宝算満于四十、〈○中略〉作天人不拾芥、天女羅払石、翻檠御薬、倶来祗候、及浦島子暫昇雲漢而得長生、吉野女(○○○)眇通上天而来且去等像、副之長歌奉献、其長歌詞曰、〈○中略〉故事〈爾〉(ふること〈に〉)、雲語来〈留〉(いひかたりけ〈る〉)、澄江〈能〉(すみのえ〈の〉)、淵〈爾(に)○淵恐瀛誤〉釣〈世志〉(つり〈せし〉)、皇之民(おほきみのたみ)、浦島子〈加〉(うらしまのこ〈が〉)、天女(あまつめに)、釣〈良礼○釣良礼、一作挑良比、〉来〈天〉(きたり〈て〉)、紫(むらさきの)、雲泛引〈天〉(くもたなひけ〈て〉)、片時〈爾〉(かたとき〈に〉)、将〈天〉飛往〈天〉(い〈て〉とびゆき〈て〉)、是〈曾〉此〈乃〉(これ〈そ〉こ〈の〉)、常世之国〈度〉(とこよのくに〈と〉)、語〈良比天〉(かた〈らひて〉)、七日経〈志加良〉(なぬかへ〈しから〉)、無限〈久〉(かぎりな〈く〉)、命有〈志波〉(いのちあり〈しは〉)、此島〈爾許曾〉(このしま〈にこそ〉)有〈介良志〉(あり〈けらし〉)、三吉野〈爾〉(みよしの〈に〉)、有〈志〉熊志禰(あり〈し〉くましね)、天女(あまつめが)、来通〈天〉(きたりかよひ〈て〉)、其後〈波〉(そののち〈は〉)、蒙譴〈天〉(かヾふりせめ〈て〉)、毘礼衣(ひれころも)、著〈天〉飛〈爾支度〉雲(き〈て〉とび〈にきと〉いふ)、是亦(これもまた)、此之島根〈乃〉(これのしまね〈の〉)人〈爾許曾〉(ひと〈にこそ〉)、有〈伎度〉雲〈那礼〉(あり〈きと〉いふ〈なれ〉)〈○下略〉