養生所書留

三

巳〈○弘化二年〉十月十六日、山中仲兵衛お以御渡、
養生所病人共〈江、〉助力銭申立候もの之儀に付、相伺候書付、養生所見廻
〈小伝馬町三丁目清助店〉茂兵衛右之もの儀、虱うせ薬商売仕候に付、為冥加、先年申立候上、右売薬お、病人共〈江〉為施薬、毎年十月より三月迄、月々百弐拾貝づヽ養生所〈江〉差出、為相用来候処、猶又当年は、右之外に、病人壱人に付、銭弐百文づヽ、助力差遣度由、右茂兵衛より、此節申立候、依之取調候処、是迄右之振合に而、半紙弐帖づヽ差遣度由申立候に付、私共猥りに受置候儀も御座候得共、此度は、銭弐百文づヽ差遣度と申立候儀に而候得ば、私共猥りにも難承置、評議仕候処、右体助力差遣候迚も、取縮に拘り申候儀も無之、且為冥加差遣度と申立候儀、奇特之儀にも御座候得ば、申立候通、聞済置候様可仕候哉、依之此段奉伺候、以上、
巳十月 松浦弥右衛門
村井専右衛門〈○中略〉
書面、病人一人に付、銭二百文づヽ、助力として差遣度由、〈○中略〉御聞済被成候段、養生所見廻〈江〉被仰渡候而可然哉に奉存候、
巳十月 松浦作十郎
加藤又左衛門