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日本教育史資料
十九医学
旧幕府医学館の設立、及同館の形状等お概記せんに、該館は幕府四百有余家の医官、医学お講ずる為に設る所にして、初は皆此館に在つて勉学せざる医官はなしと雲、近世〈文化以来〉素食遊怠の者多く、此館に入て勉学する者減じたり、然れども係る行跡の者は、人之に歯するお厭ひ、有志者のみ此館に入ることヽなれり、〈○中略〉医学生徒は、寄宿寮と雲へる一舎あり、常に三十名より五十名の生徒あり、生徒は官医の子弟に限る、