海軍歴史

二十五

軍艦附御雇医師( ○○○○○○○) 名前之儀申上候書付
海軍奉行並
軍艦奉行
〈堀田相摸守家来医師〉栗田浩然
〈寄合松野八郎兵衛家来同〉守屋修道
〈御代官江川太郎左衛門家来同〉隈川宗悦
右之者軍艦附御雇医師之儀、先般申上候処、書面之趣者、軍艦附御雇医師と申付、為御手当御扶持方拾五人扶持宛被下、且乗組御用而已に無之、平常軍艦所病用おも為相勤、是迄軍艦所病用相勤候御雇医師之儀者、差免候心得お以、人数等取調、猶相伺候様可致旨、去寅五月中被仰渡候義に御座候、然る処其節者、御船々大坂并西海筋〈江〉御廻し相成居、富士山御船のみに而、同御船之義も、出帆差迫居、人撰等何分間に合兼先其儘出帆為致候処、追々御船々帰帆相成候に付而者、御船々之大小并軍艦運送船等之差別に随ひ、人数取調候へば、当時之御船数丈けに配当仕候にも、多分之人数に無之候而者差支、素より不可欠義に御座候間、先般医学所頭取〈江〉相懸合、人撰中に付、取調出来次第、追々申上候積に御座候処、名前之者は、以前同所之人撰に而、御船々乗組、航海御用度々相勤、医業巧者、療養行届、御船中折合方宜敷、至極御用立候者共に而、差向右三人之もの共、人撰出来候旨、医学所頭取より申越候に付、兼而被仰渡之通、御扶持方拾五人扶持宛被下置、軍艦附御雇医師被仰付候様仕度、猶医学所頭取より、主人々々へ懸合候処、差支も無之旨申聞、且富士山御船等御修復皆出来相成、急速摂海〈江〉御廻しにも相成候間、早々願之通被仰付候様仕度、其余御船々〈江〉配当仕候分者、人撰相済次第尚可申上候得共、差向前書三人之者共、急速願之通被仰付候様仕度、此段奉願候、以上、
卯〈○慶応三年〉四月