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皇国医事沿革小史
前編第五期
本期の初に当て、曲直瀬正慶李朱お奉じ、宋後の医方お取り、五行運気お唱へ、温補お主としたるに、名護屋玄医、後藤達の徒、復古お唱へて、専ら古方お主張し、吉益為則亦た一毒説お唱て、其弊お撓んとせしが、〈○中略〉天明完政の交〈紀元二千四百五十年代〉京師に福井輗、和田璞あり、江都に多紀元徳、元簡の徒ありて、 古今お折衷し( ○○○○○○) 、補瀉温凉偏執する所なく、務て従前の弊害お一洗せんとす、茲に至て、此期中の医道三変せり、