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奇魂

医薬名義〈并医風変化附本道弁〉
本道と雲は、公にて立おかるヽ本医の外に、 権( かり) に用らるる医お権道と雲に並べ雲時の名なるお、世に 混身( みうち) お治る医にかけて雲は誤也、そお又本科、本治、本療抔雲は愈非也、されば此の書は更也、漢籍に十三科抔立たれど、本道と雲科なし、いはゆる本道は、体療又は内科と雲ぞ正き、下〈刺法〉に引ける、中原康富記に、所詮為権道之間、御針不可苦雲々、本道医師中、当時無針之名誉雲々と有にて悟べし、こは易きことながら、世に弁たる医、おさ〳〵なかめれば、序に驚す物ぞ、抑中古より家お世々にし、又唐に擬ひて科お分ちしより拙く成けらし、医道に科お分こと有べからず、