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本朝医談
昔腫物の治法は、水おそヽぎかくるなり、其法は鷹取の書に詳なり、徒然草に癰疽おやむ者水に洗て楽とせんより、やまざらんにしかじ、是医療の事にはあらねど、療法にかよはして見るべし、栄花物語、此時の事お載て雲、いかにもむつかしうおぼしめし、御居立のありさまなど同じ事なり、日頃の過るまヽに猶水などいさせ給ひてよからんと申、いとさむき頃たへがたげに見えたまふ、