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一話一言

眼科
尾州に明眼院〈寺領百石〉といふ寺あり、眼科 馬島流( ○○○) お伝ふるもの、此門に入て方お受る事也、眼科の書に竜樹眼論といへるもの、あの方にても絶てなき書と見へたり、近頃明の保光道人の竜木論などいへる書も、これらによれるにや、馬島といへる文字も、疑らくは竜樹とへるによりて、 馬鳴( みのやう)の字の体近きによりて、附会せるか、眼科の書は、哀学淵が眼科全書、〈和刻あり〉明の末の王協約菴が眼科全書、〈唐木也〉眼科百効全書、銀海全書等也と、東都四谷目医馬島玄仲〈尾州医官〉の物語なり、