[p.0854]
時還読我書

青木侃斉の説に、鰻鱧はよく脾胃の運化お健にするもの也、眼病神水のしまりあしく、瞳子の散ぜんとするお治するに、鰻鱧より善なるはなし、審視瑶函に、神水不足は啻に腎虚のみならず、胃虚より来もの多といへるは、信に然り、 馬島流のうなぎ薬( ○○○○○○○○) とて、車前子一斤、使君子五両、蕪第人二両、肉豆〓三両お黒焼にして丸となし、毎夜臨臥に鰻と同食せしむる方あり、脾虚の眼病には妙剤也、蕪第お去て散薬となし、蒲焼へ糝して食はしむ、猶妙也、〈毎小串一二本づヽ〉脾疳にも亦効あり、車前子の湿熱お除おもて主とする也、故に此一味お用ても佳也と、