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病家須知

産蓐( ○○) 之図〈○図略〉
被襖数枚お用て、重層て凹凸なからしめ、漸に昂なるやうにして、隻肩の当処お少両側より低し、其上に褥子お鋪、枕は軟なるものお用て、褥の下より、紐にてつりおかけて、転ぬやうにすべし、枕は昂が宜ども、余に昂は好からず、大要領と脚との高低一尺余お程とすべし、七日お過て少低し、二七日が程には、常の如にしたるが可、或は褥子にて、図のごとくにこしらへたるもよし、下のかたへこけんかとおもはるヽものは、かねて別の褥子やうのものお用て、脚のかたへかひあてヽよし、図はその状お示ために、かうのごとくなれども、産婦の体は、これよりおちつくやうにすることヽこヽろうべし、