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本朝医談
臨産の時、産婦の側に、白米お設け置は、血暈おこる時かましめん為なりと、本朝食鑑に見ゆ、生米は、血の道によし、産前後、手負、目のまふ時にくふべしと、本草歌に出づ、又豆にも、其能ありと見えて、備前老人物語に、手負て血の胴へ落て難儀ならんには、煎豆お食ふべし、忽しるしありといへり、民間に血暈に用ふる、薄墨薬といふあり、米の粉に藤こぶの黒焼お、薄墨色になるほど和合するなり、