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守貞漫稿
五生業
按摩
諸国盲人業之する者多し、或は盲目に非るものあり、或は得意の招に応て行くのみもあり、或路上呼巡りて応需ずるあり、蓋三都諸国ともに、 振り按摩( ○○○○) は小笛お吹お標とす、振は得意に往々路上お巡り、何家にても需に応ずるお、諸賈亦准之て振売と雲に同じ、又京坂ふりあんまは夜陰のみ巡り、江戸は昼夜も巡る、又江戸には笛お用ひず、詞にあんまはりの療治と呼巡もあり、小児の按摩は、或は上下揉て二十四文なんど呼ぶもあり、江戸は普通上下揉四十八文也、又店お開きて客お待ち、市街お巡らず、 足力( ○○) と号て、手足お以て揉者は、上下揉百文也、京坂には此足力按摩無之、又京坂従来普通上下揉者は価お半にす、因雲、盲人は鍼治お兼る、足力等は灸治お兼る、又別に三都とも 灸すえ所( ○○○○) と雲者あり、大略百灸以上千灸以上お一庸とす、銭廿四文許也、