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添水園随筆
赤斑瘡弁考証所引
麻疹( はしか) の 呪歌( まじなひうた)
麦どのはうまれながらにはしかしてさてそののちはわがこなりけり、四の句、或はかけてのヽちはと雲々、又はみえての後はと雲々、此呪歌お貝多羅葉の面に書て、裏にはその人の年齢お書付て、その葉もて身体お残る所なく撫廻して、さて右の葉面なる、麦の字の上方に、灸三壮して後、川水にながし捨るなり、若貝多羅葉なき時は、柿の葉おもてこれに換、かくすれば、麻疹甚軽して、万に一失なし、〈○下略〉