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麻疹流行記
元禄四年辛未三月より夏に至り、諸国に麻疹流行せし時、人民不養生おなし、又食毒にあたりて、愁ひお見る事其数お知らず、 霊元院法皇様、勅詔に依て、名古屋玄医翁、養生書お撰、普く日本国中に流布なして、諸人おすくふ、其書予が先祖に伝はり有るに依而、此度彫刻して、再び天下に披露せしむるものなり、 元禄四辛未年〈是より十七年目〉 宝永四丁亥年〈是より二十四け年目〉 享保十五庚戌年〈是より二十四年目〉 宝暦二癸酉年〈是より十四年目〉 安永五丙申年〈是より二十八年目〉 享和三亥年 六十余州津々浦々に至る迄、麻疹流行する事、前代未聞之事也、
京なはて 協屋喜太郎板