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疱瘡心得草
笹湯( ○○) の心得の事
四五日前より米のかし水お取置て、能ねさせ置、そのうわずみお湯に焚べし、湯に入るヽ事、重き痘は日数にかヽわるべからず、湯の内へ手拭おひたし、得と搾りて、かせたる痘の跡おしか〳〵と押へ、湯の気おあつれば、かせの熱こヽろ能おさまるなり、必ずぬらしあらふべからず、かほは目の上下およけ、眼の中へ湯の気入ば、眼中おそこのふ事有、手足総身まんべんに湯お引べし、背は軽くすべし、湯おかけ終れば、風に当つべからず、夫より又両三日隔て二番湯お浴せしむべし、三番湯おすまして、常の湯に入るべし、