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吾妻鏡
三十五
仁治四年〈○完元元年〉九月十九日壬戌、若君〈○藤原頼嗣〉煩疱瘡、〈○中略〉 十月一日甲戌、若君御平復之間、今日午刻、 御沐浴( ○○○) 之儀、医師頼行、広長等朝臣賜禄、○按ずるに、此沐浴は発病より十二三日目に当れば、蓋し疱瘡の酒湯に近し、又建長八年九月一日に、将軍宗尊、赤斑瘡に罹り、同月十九日沐浴、同月十五日北条時頼同病に罹り、二十九日に沐浴の事、共に吾妻鏡に見ゆ、一は十九日目にして、一は十五日目に当れり、是等は何れも酒湯の類ならん、