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病家須知

食物能毒の心得お説〈○中略〉
産後の眩運に、冷水の奇効あること、坐婆心研にくはしく其説お記たれども、今此編婦人須知の巻にほヾこれお述て、俗家に示べし、其外、熱病の危篤証に、灌水得効ある弁、痘疹、驚癇、及癇疾、癲癇、狂癇諸症、腓、痿、諸患、又は瘈狗傷てより、精神錯乱もの、或は頭熱経久止ざる、或は悪寒歳お累て愈ず、或は久瘧諸治効なき類、及癩病初発、癆瘵初起に、 灌水( ○○) 、 浴水( ○○) 、 撫水( ○○) 及 爆布泉( ○○○) お用る差別、其佗の諸病に、冷水内服弁別など、予〈○平野重誠〉が多年の試験は、皆治術のうへのことにて、医も其人にあらざれば、妄に説諭がたく、況俗家の理解し難ことのみ多ければ、此には具論ぜざるなり、