隣女晤言
一
ゆゆで
栄花物語月宴に、九条殿なやましうおぼされて、御かぜなどいひて、おほむゆゆでなどして、くすりきこしめして雲々、此風のこゝちに、ゆゆでするといへるは、いかさまにするにか、医法にある事にや、尋ぬべし、源氏物語などにはなき詞なり、狭衣に、雪やけに、あしもはれてなやましうおぼさるれば、ゆでつくろひなどして、あるきなどもし給はずと雲々、これは足の痛に、湯でする事、今もする事なり、杉おせんじてする事もあるべし、
栄花物語月宴に、九条殿なやましうおぼされて、御かぜなどいひて、おほむゆゆでなどして、くすりきこしめして雲々、此風のこゝちに、ゆゆでするといへるは、いかさまにするにか、医法にある事にや、尋ぬべし、源氏物語などにはなき詞なり、狭衣に、雪やけに、あしもはれてなやましうおぼさるれば、ゆでつくろひなどして、あるきなどもし給はずと雲々、これは足の痛に、湯でする事、今もする事なり、杉おせんじてする事もあるべし、