日本教育史資料

六旧山口藩

一小病院、 分析局( ○○○) 、 薬草園( ○○○) は、医校中には不虧事に御座候、猶小病院と申候ても、急に御詮議も難被仰付御事と奉存候、分析局薬草学は、開物成務の一大端にして、後来御国益にも相成可申候、殊に外夷拒絶の時節柄、追々薬不如意に至り候事と奉存候、全体以我物足我用の義は、天理の当然に御座候、仮令ひ薬物渡り来不申ても、 分析学( ○○○) 相開候事に候得ば、製煉の諸術に熟達の上は、新薬も出来可仕候、好生堂中に一局御設被仰付、此術巧者の輩可申立候間、御撰挙一途引受可被仰付候、諸生も分析学研究の節、現術相試可申候、是迄百草園中に於ては、分析場御小納戸管轄にして、局所丈け好生堂へ御移転引請被仰付候様に奉存候、左候得ば、諸生中業間に、右之局え罷出手伝、自然に熟達可仕候、薬草園は、是迄之処に被差置、同様に被仰付度、御小納戸えも其段可申出候間、政府より御申入可被下候、
一 諸薬店( ○○○) 之義は、薬種一事に就ては、好生堂管轄に被仰付度、左候得ば、姦悪眩誣之所業も少く、薬品も自然精撰可致候、第一には於西洋諸国、軍事出張之節は、薬局之者、医師に付添、薬物繰出しより、百爾之事務に至る迄、従事致居候、平日管轄被仰付置候はヾ、不虞之節は、軍用之薬物即時に相弁輸送可相成、活然とも御利用之御用と奉存候、〈活然とも、未だ熟字あるお聞かず、疑くは当時活用の意ならん、〉