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文恭院殿御実紀附録

享保の頃、はじめて白牛三頭お戻州嶺岡に放たしめ玉ふ、其牛、年お追ひ蕃息して、七十頭に及べり、完政の始、小納戸頭取岩本石見守正倫に命じ玉ひ、嶺岡に行て、牛乳お求めしめ、数石お得て、酪お製せしめらる、こは 白牛酪お製せられし始( ○○○○○○○○○○) なり、又桃井源寅に命じて、主治功能お撰ばしめられ、広く生民お恵恤し玉ふ、近頃尾島主殿頭某に命ぜられ、其役お司らしめ、広く衰老の者に施しあたへしめらる、享保の盛慮この御代に至りて遂行はしめ玉ひしは、いとかしこき御事なり、〈国字分類雑記〉