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重修本草綱目啓蒙
九芳草
縮砂密 みかくし〈古名〉 一名風味団頭〈輟耕録〉 賽桂香〈種杏仙方〉 砂仁〈附方、本草蒙筌俗語なり、薬四に全きものお縮砂と雲ひ、ばらばらになりたるものお砂仁と雲ふは誤なり、〉
和産なし、略して縮砂と雲、舶来真物なり、薬四に伊豆縮砂と呼ぶものは 山薑( はなめうが) の実なり、用ゆべからず、舶来の縮砂蜜、古渡は小く新渡は大なり、共に皮に刺あり、山薑実の皮に異なり、子も外黒く内は白し、香気も各別なり、広東新語曰、曰縮砂者言其殻、曰密者言其仁、曰縮砂蜜者言其鮮者、曰砂仁者言其乾者也と、是俗説用ゆるにたらず、