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重修本草綱目啓蒙
九芳草
篳茂 一名椹聖〈輟耕録〉 蛤蔞〈広東新語〉
和産なし、舶来のもの多し、闊さ二三分、長さ一寸余、 石菖( せきしやう) 蒲の穂の如く、又 榛( はしばみ) 及 赤楊( はりのき) の花の蕾に似たり、細実密に綴り、淡黒褐色、味辛して胡椒の気あり、胡椒に換用て食味おたすく、薩州より出すお薩摩篳茂と雲、香味ともに薄くして劣れり、下品なり、今花戸に漢種の篳茂と雲ものあり、三白草の夏に至て、葉白くならざるものなり、花実も三白草に異ならず、篳茂に非ず、