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本草弁疑

芎藭( ○○)
中古漢より不渡して、甚高直にして一両価銀一六銭することあり、庸医用ること不能して和お用ゆ、其比和芎お捨て漢芎お貴ぶといへども、易求に任て主能の択びなく、自然と使覚て、今は専ら和芎お貴んで漢芎お賤んず、本朝の俗、諸薬の択お不知、皆薬家に任て求之、故に其主能の差別なく、卑き価の高下より初て用之こと、誠に口惜き哉、明者可嘆之、諸薬皆如斯なる故に、世に誤り用るもの多く有之、