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重修本草綱目啓蒙
八山草
柴胡〈○中略〉
舶来に 銀柴胡( ○○○) と呼ぶあり、根の形肥大にして皮皺ばみ黄白色、切れば内に黄紋あり、これは柴胡に非ず、即李時珍根似桔梗沙参、白色而大、市人以偽充銀柴胡、殊無気味不可不弁と雲ものなり、而して今唖科に用て熱お解す、炮炙全書に、李念莪労と疳証とお治するの説お引けり、古方に銀柴胡と雲は、即銀州銀県の柴胡にして、黒色のものお指す、今の鎌倉柴胡なり、色の白きお雲に非ず、今の世に色の白き者お以て銀柴胡と為ものは、乃別に一種同名なるものにして、和産詳ならず、又今和俗銀柴胡と呼ものあり、別物にして菜類なり、