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平賀鳩渓実記

平賀源内儒学講釈の事
源内は、日々に門弟はふへ、名は高くなり、殊更採薬などに出るには、本草に委しき故、近国の医師聞伝へて、二三百人も弟子付ければ、暫時金銀も出来、差支もなかりける、門弟中相談して、何卒此先生お、当所に留置たき者也と工夫し、各申合せて、稽古所普請お取立んと相談一決しければ、〈○下略〉