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倭訓栞
前編十六都
つゝか 恙字およめり、万葉集には多くつゝみとよめり、又つゝまはずともはたらけり、集又光仁紀にもつゝむ事なくと見えたり、恙は憂也とも病也ともいへば病憂のつゝましげなるよりいふ詞成べし、万葉集に草づゝみ身疾あらずといへるは、上古の時草居露宿す、恙といふ虫ありて、よく人の心お食ふといへる説によれる成べし、