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大鏡
六内大臣道隆
御目〈○隆家〉のそこなはれ給ひにしこそ、いと〳〵あたらしかりしか、よろづにつくろはせ給ひしかども、やませ給ひて、御まじらひたえ給へるころ、大弐の闕いできて、人々のぞみのヽしりしに、唐人の目つくろふがあるなるに、見せんとおぼして、こヽろみにならばやと申給ひければ、三条院の御時にて、又いとおしくもやおぼしめしけん、ふたことヽなくならせ給ひてしぞかし、