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瘍科秘録

酒皶鼻
酒皶鼻、酒客に多き病ゆえ名づく、又単に酒皶とも雲ひ、又皶鼻とも雲ふ、本邦にてはざくろはなと称す、治し難きものなり、初は準頭小疹お生じて赤く、甚しきものは、疙〓として両顴までも蔓延して紫黒色に変ず、鼻も腫れて一倍長大になり、顔色お変ず、 粉刺( にきび) お合病するものにて、鼻お強く撮むときは、毛竅より粉の如きもの出るなり、