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時還読我書

一儒生語りしに、郷に京師に遊しとき、一商家の子あり、 骨蒸( ○○) お病て死せる翌日荼毘せんとて、鳥辺山に託せしに、中夜彼処の者来て、彼屍は其体日お経たるとみへたり、如何なる子細ぞといへり、主人答るに実お以てすれどもうけがはず、仍て医師及親族など証にたてヽこれお焼しめしに、骨悉砕て灰となれり、帰途勢州に過て一医に此事お告しに、渠も亦いふ、某も嘗て骨蒸病人お荼毘して其骨砕屑となりしお見たりといへり、骨蒸は醸〓の骨お焚お以てかくなることにやと、