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松隣夜話

同年〈○天正四年〉冬の半より、謙信公御肉日追て脱し、 鉄丸の如くなる物御胸に支へ( ○○○○○○○○○○○○○) 、 御食( ○○) お吐玉ふ事多日也、其後は冷水の外飲食不被遊、雖然御疲の色露も不見給、昼は巳の下刻より、遠侍に御出、諸士に御対面、申の刻お終て被為入、夜は戌の上刻より、子の刻まで御出有て、酒宴お設けさせ、諸士お会し、談笑自如として御愁の色なし、就中十一月一日より、七組衆お被召、越前口より江州濃州へ人数お被出、都へ御進発有べきことの御手配り、昼夜十余日に事畢り、明年三月十五日、春日山お御進発、五万余兵の著到也、
○按ずるに、右の隔の病ならん、