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叢桂亭医事小言

霍乱 中暑
霍乱は暍也と雖、暍は傷暑也、是は耕夫旅客など、炎天金も爍すほどの大暑に力行して、眩暈暴熱して倒れなどするのことにて、史記に禹扇暍と見ゆ、又淮南子に、武王蔭暍人于越下、左擁而右扇之とあり、皆傷暑のことなり、霍乱は素問に出、病形の有様お以名付たりと諸書に見ゆ、其形は腹痛甚く、手足逆冷、大汗出、煩渇乾嘔、転筋六脈細伏す、是は老壮の別なく、一昼夜ほどに死生の有ことにて、俗に 大霍乱( ○○○) と雲、数刻苦めば顔色瘠、目上陥り、半眼直視して速に死す、