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時還読我書

脚気は六七十年以前は至て少く、偶患る者ありと聴は篤志の生徒など執匕の医へ紹介お乞て往診せしほどのことなりしと老医の話なり、しかるに三四十年来は上王公より下小民に至るまで、夏秋の際は殊に火く衝心するもの亦少からず、風会の移遷するゆえならん、但近年はまた前年に比せば甚多からざるに似たり、