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源順集
抑順、梨壺には奈良の都のふる歌よみときえらび奉りし時には、すこしくれ竹のよこもりて、行末おたのむおりも侍りき、今は草の庵に難波の浦の あしのけ( ○○○○) にのみわづらひてこもり侍れば、すべてわれ舟の引人もなぎさにすてられおかれたらん心ちなんしける、かヽるうちにもこのとしごろは、
しらけゆくかみには霜やおきな草ことのはもみなかれはてにけり