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瘍科秘録

附骨疽〈○中略〉
又鶴膝風と雲ふものあり、膝腫お疼み、色は攣ぜず、寒熱交作、久しき時は腿と脚と肉脱して細くなり、膝のみ愈大になりて、鶴脚の如くなるなり、腫たる処お押て見るに、軟にして、何かある様に、手対のあるものなり、鍼お両膝眼より刺す時は、淤水の出るもあり、希膿の出るもあり、出て後は腫消すれども、又漏と成て、朽骨の出ることあり、此等の証は、各名は異なれども、皆附骨疽に属す、流注は深く膿もの故、治しそこねる時は、附骨疽に成るもの多し、鼻淵お長く患ひて、朽骨の大さ豆の如きものヽ出しことあり、何腫瘍にても、久しく愈ざる時は、皆附骨疽に変ずるなり、