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続世継
四波の上の盃
三月三日、曲水宴といふこと、六条殿にて此殿〈○師通〉せさせ給ふときこえ侍りき、〈○中略〉四十にだにたらせ給はぬお、しかるべき御よはひなり、かぎりある御いのちと申しながら、 御にきみ( ○○○○) の程、人の申し侍りしは、つねの御ことヽ申しながら、山の大衆のおどろ〳〵しく申しけるもむつかしく、世の中心よからぬつもりにやありけんとも申し侍りき、