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一話一言
二十八
寛永年中肥前瘡
寛永年中に、人の身に瘡のいでき、其名おたれいふともなく ひぜん瘡( ○○○○) といふ、見る人、聞人、ひぜんおこりたるといはぬ者なし、同じく寛永十四年に、西国肥前に吉利支丹といふ邪法の一揆おこり、武士うけたまはりて害之、これも後に思ひあはせける、〈鼠物語〉