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類聚名物考
病痾一
かぶれ 臭触( ○○) 〈歟〉 蚊触〈明月記〉
これは俗言なり、明月記に蚊触と書しは借字なり、さりながらも夏のほどなど、蚊に喰るれば、その所に小瘡の出来しは、かぶれたるに似たれば、さも推てはいふべけれども、もとこの詞は、その病のおこる所お思ふに、或は漆の臭気にふれておこり、又は膏薬などにもみなその気に触ておこるれば、臭触の意なるべしとの事も、やヽはやうよりいひしにやあらん、