[p.1251]
大祓詞後釈

白人胡久美( しろびとこくみ)
後釈白人は和名抄に、白癜人面及身頸皮肉、色変白雲々者也、 之良波太( しらはた) とある物の類、其外世に 白子( しろこ) といふ物などのたぐひおいふべし、〈○中略〉かくて此類は共にきたなき物なる故に、穢お以て罪とするなり、かの推古天皇の御世に参来たりし、百済人の斑白なりしも、白人のたぐひなるお、そこに悪其異於人欲棄海中島とある如く、さる類はきたなきものにて、世の人も悪み、まして神はにくみきたなみ給ふなり、書紀履中〈の〉巻に見えたる淡路島に坐ます伊奘諾神の、飼部の黥の疵の臭気お悪み給ひし事などおも思ふべし、さて祓によりて白人胡久美の類の直るにはあらざれども、祓つ物お出して祓へば、その穢の清まるなり、